· 

何が読書に繋がるのだろう その2

 自分の幼児期を振り返って、読み聞かせてもらうことは、絵本に物語が詰まっていることを教えてもらうことだったような気がします。

 そして読んでもらうことと、自分で絵本を見ることは、同じくらい楽しいことだったような気がします。その当時、活字を追っていけるという点で読めていたかどうかは、自分で自覚がないのですが、読んでもらっていない時も、絵本を楽しんだ記憶はあります。

 ひとりで絵本を楽しむときは声に出すわけではないので、活字と一致しているかどうかすら意識していなかったのではないかと思います。

 ひとりで遊ぶことも好きだったので、ひとりで絵本を楽しむことを当たり前に受け入れていた気がします。

 母は絵本で文字を教えようとはしなかったので、読めているのか絵本で試されたことはありませんし、私も文字に関して質問した記憶もありません。そもそも子どもは、活字が読めているのか、暗唱しているのか、意識していないのではないかと思います。

 私は、五十音の積木だったり、看板だったりで文字を意識し、拾い読みをしましたが、絵本は物語の世界でした。

 偶然にも識字のトレーニングと絵本が切り離されていたことが、読書の始まりになったのかもしれないと思います。