2021年1月

2021年1月 · 2021/01/31
 図書館に関わっていると司書の専門性と言う言葉がしばしば使われます。けれど、この専門性が何かというと、共通認識として、社会に浸透しているとは言えないと感じています。...
2021年1月 · 2021/01/30
 私の絵本の知識は、自分の子ども時代からの蓄積と、石井桃子さんや松岡享子さんなどの著作を手当たり次第読んでの独学でした。石井桃子さんは岩波子どもの本の翻訳者や作者として、親しみがありましたし、松岡享子さんはパディントンの翻訳者として馴染みがありました。今思えば、手探り状態の中でも、読んできたものに導かれて、知りたいことの答えを探り当てていたことに、読書の底力を感じます。  そんな中で、私が初めて体系的に絵本について学んだのは、成田市立図書館で開催された荒井督子さんの講座でした。  荒井さんは、石井桃子さんのかつら文庫の初代文庫のお姉さんで、千葉県立図書館に所属されていた方です。  千葉県は、県立図書館から、市町村の図書館へ管理職を派遣し、公共図書館の運営をサポートしていたので、当時、成田市立図書館長をされていました。  その講座は、知っていた事が点から線に、線から面になるような、隙間が埋まって、ワクワクするような時間でした。  そしてそれ以降、師を見つけたとばかり、足繁く図書館に通い、質問する押しかけ弟子の私に、荒井さんはお忙しい中、時間を割いてくださって、導いてくださいました。  私にとって児童担当の司書のイメージは、荒井さんの姿が大きいです。館長であっても、原点を大切にされていて、児童のフロアで、絵本を選んでいる子どもに、読んであげましょうかと声をかけ、子どもと隣り合って座り読んであげるのです。  本の中では拾い上げられなかった、児童図書館員の本来の姿として焼きつきました。  こういった、地味で目立たない活動の上に、読書は成り立っていて、求められる全てに応えられないからやらないというのは、一見筋が通っているようで、読書への誘いのチャンスを潰しているのかもしれないと思いました。  そして知らない子どもに読んであげましょうかと声をかけることは、絵本を知っていなければできないことでもあると思います。学びの延長に何があるのかを見せていただいていたのだと思います。

2021年1月 · 2021/01/29
 読んでもらった絵本を、子どもが手にとらない理由は、読み手が絵本の世界を自分のものにして、完成させて渡しているからだと考えています。  これは、演劇や音楽を想像するとわかりやすいと思います。  俳優や音楽家は、脚本や楽譜を読み込んで、自分の表現を作り上げ観客に届けます。...
2021年1月 · 2021/01/28
 指導主事の先生とお話しする機会があり、その時に学校司書が図書館の時間にしている読み聞かせを、子どもたちの読書推進のためにされているとおっしゃっていて驚きました。。意外と図書館に直接関わっていない人の方が、読み聞かせに関して効果を期待している印象でしたので、読書推進と集団への読み聞かせについて整理して見たいと思います。...

2021年1月 · 2021/01/27
 前回、読めるという自信をつければいいと簡単に書きましたが、これが意外と難題です。  それは、私たちが子どもたちに達成感を味わせよう、自信をつけさせようと意識しすぎると、逆効果になるからです。...
2021年1月 · 2021/01/26
 子どもたちが読みたい本を見つけられないときに、考えられるのは、本の厚さや活字の大きさに気を取られて、内容に注意が行きにくくなっているか、読めたという体験が少ないと前回、書きました。  実はこれらのパターンの根っこは一つだと思います。 ...

2021年1月 · 2021/01/25
 子どもに読みたい本がないと言われること位、図書館を預かる図書館員をどっきりさせる言葉はないような気がします。  そして、悩んだ挙句、うっかり個々のニーズに合わせた本を購入するだけの予算がないという所に、落とし込みがちなです。  けれど、この発言をする子どもによく話を聞くと、読みたい本が決まっている場合が多いと思います。...
2021年1月 · 2021/01/24
 休み時間に学校図書館に伺うと、子どもたちが貸出カウンターで、本を借りていくのを見る事があります。みんな楽しそうに借りていく様子に立ち会うのは、見ていても楽しいものです。  そんな中で、気になることがあります。それは自分が借りた本の冊数を誇らしげに口にする子どもが少なからずいる事です。...

2021年1月 · 2021/01/23
 図書館で絵本を探す時、2つのパターンがあります。目当ての本が決まっていて、タイトルから探す時と、読みたい絵本が決まっていない時です。  読みたい本が決まっていない時に、図書館で探すと、面白い出会いが期待できます。...
2021年1月 · 2021/01/22
 図書館は全部同じと捉えがちですが、公共図書館と学校図書館では、役割が違うと思っています。以前も話題にしていますが、寄ってたつ法律が違うからです。  そして違うと思っていても利用者主体、自分で読みたい本を自由に選ぶことができるという図書館の基本理念は同じなため混戦が起きがちです。...

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