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成長過程という視点

 成長過程といっても、何歳になったら何をするという発達指標のようなものは考えていません。子どもは同じところに留まり続けないという視点を考えています。点ではなく線で見るという感じでしょうか。

 何より子ども自身は変化しようとして変化するのではないので変化を恐れない感じがします。

 それは、子どもにとって変化は生活の一部で日常的なことだからだと思います。年齢が低ければ低いほど、日々、初めてのことが起こり、初めてが多いとのです。だからこそ子どもはある意味強靭ですが、思いの外脆いところもあってアンバランスな存在だと思うのです。

 だからよく観察し丁寧に接するべき対象なのですが、おとなは、その事を忘れがちなのだとも思います。

 そして問題を複雑にしているのが、子どもの人権という概念だと思います。

 子どもの人権は守られるべきだと思いますが、人権を尊重する事=おとなと同じように扱う事 ではないような気がします。

 けれど、今、おとなと子どもは対等を目指しているのではないかと思うことがあります。

 対等を意識するが故に、おとなは子ども化し子どもはおとな化する事で、対等のバランスを取ろうとしているようにも感じます。

 けれど、これは子どもにとっては望ましい環境ではないと思います。お互い歩みよってバランスを取りつづけると大人に付き合って子どものありようが固定化されていってしまうような気がします。

 子どもはもっと自在に変化していい存在だと思うのです。子どもを型にはめるのではなく、変化を歓迎し、個人を尊重するという名の放置をしないというのが学校図書館のスタンスだと思います。

 子どもの変化を受け止めて、次の一手を考えるのがおとなの役割だということを意識すると成長過程という視点になると思います。