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やってしまった・・・

 「本はともだち」という、子どもたちに読書の楽しみを体験してもらいつつ、クラス単位で読書習慣をつけることを目指しているプログラムを企画実践しています。年6回、あらかじめ私が選んだ本を持って年度当初希望したクラスを年6回ずつ訪問するのですが、ちょうど今日から今年度の最終回の回が始まりました。

 今日の訪問したクラスでの「本はともだち」の時間が終わった時、ひとりの子に呼び止められました。

 『エルマーとりゅう』を持っているというのです。

 今日紹介した本の中に『エルマーとりゅう』が入っていたので「知っている話は読みたくない」もしくは「読んだことがあるという誇らしさ」かと思い、続きは知っているかと尋ねました。

 すると3冊とも、持っているという答えだったので、何度読んでも面白いと伝えました。

 「本は友だち」は私が持ち込んだ本を全冊全員が読んで完成というルールでやっているのです。

 ですから何の疑問も持たずにその言葉を口にしました。するとその子はやれやれという感じで。エルマーのシリーズを読むのは、長くてすごく大変だったことを話してくれました。

 私は自分のうかつさに内心頭を抱えました。自分で持っている本は自分が好きな本のはずとどこかで思い込んでいたのです。

 親に買い与えられた本を嫌とは言えず、頑張って読んだら、親が喜んで続きを買ってくれてしまい、またまた頑張る羽目になったという、お互いが良かれと思ってやっているのに噛み合わない状況が、その子の話から容易に想像できました。

 けれど、その場ではどう言っていいのかわからず、とりあえずでも読んでみてねと通り一遍の言葉しか言えませんでした。

 今、思い返してみて、かけるべき言葉は、読むのが大変だったから面白くなかったかを聞くことだったと思います。本の厚さや長さと面白さは関係ないといつも口にしているのに、肝心なところで言葉にできずに後悔しています。