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図書館ができること できないこと その2

 図書館は全部同じと捉えがちですが、公共図書館と学校図書館では、役割が違うと思っています。以前も話題にしていますが、寄ってたつ法律が違うからです。

 そして違うと思っていても利用者主体、自分で読みたい本を自由に選ぶことができるという図書館の基本理念は同じなため混戦が起きがちです。

 一言で言えば学校図書館は、社会に出て、利用者主体が取れるようトレーニングを積む場といった感じでしょうか。

 この様に言葉にすると簡単ですが、実は道は険しいと思います。

 まず利用者主体を実現するには、自分が何をしたいのか、何を求めているのかを自覚する必要があります。

 それには、自分の現在地、自分が何を知っていて何を知らないかを、分かっている必要があります。

 そして自分の現在地を知るには判断材料となる知識が必要です。 

 知識は、実体験と本などから得る間接的な経験によって構築されます。

 実体験は時間を重ねて積み上げるので、年齢を超えた先取りは難しいと思います。

 また間接的な経験は、活字を追うことが自由にできないと、読むこと自体に精一杯になり知識としての蓄積が難しいと思います。

 こう考えると、学校図書館、特に小学校図書館で、利用者主体を育てようと、自分で本を選ばせることがいかに難しいことかがわかると思います。

 子どもの好みをリサーチし、放っておいても本を持っていく状況を作るのではなく、読める様になるためのサポートや体系的に本を読む楽しみや興味と本を結びつける方法などを工夫していくことが大事だと思います。