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図書館で絵本を探す

 図書館で絵本を探す時、2つのパターンがあります。目当ての本が決まっていて、タイトルから探す時と、読みたい絵本が決まっていない時です。

 読みたい本が決まっていない時に、図書館で探すと、面白い出会いが期待できます。

 図書館にある本は、長い時間をかけて図書館が所蔵してきた本たちなので、タイトル数が書店の比ではないのです。そして絵本に関わる仕事をしていても読んだことのない絵本がたくさん並んでいるのです。

 毎年日本で出版される絵本はおおよそ1500点前後を推移していますが、全てに目を通すのは難しい数が出版されています。

 そしてその中から図書館が選んで蔵書にしているものだけでも、全部読めているわけではないので、当然読んだことのない絵本が毎年増えているわけです。ですから、思いがけない時に思いがけない出会いが生まれます。

 絵本は絵の力が大きいので、できれば面出し、表紙を見せる形で配架できると借りる人にアピールできるのですが、あれだけの蔵書をすべて面出しするのは現実的ではありません。でも面だしできる書架があるので、私はそこで、知らなかった絵本と出会うことが多いです。おとなでも表紙に呼ばれて絵本を手に取るくらいですから、子どもならもっとだと思います。

 ありがたい事に、図書館員が新刊に偏らない面出しをしてくれるので、重宝しています。

 人が借りてこその蔵書でもあります。手をかけて棚を整えてもらう事で、蔵書の新鮮さが保たれ、新しい出会いが生まれます。

 絵本と人を繋ぐのは、直接的なものだけではありません。こう言った光が当たりにくい作業も図書館の大事な仕事だと思います。