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読みたい本がない!? その1

 子どもに読みたい本がないと言われること位、図書館を預かる図書館員をどっきりさせる言葉はないような気がします。

 そして、悩んだ挙句、うっかり個々のニーズに合わせた本を購入するだけの予算がないという所に、落とし込みがちなです。

 けれど、この発言をする子どもによく話を聞くと、読みたい本が決まっている場合が多いと思います。

 読みたい本が決まっていて、その本がないから読まないと言うのは筋が通っているようで、おかしな言い分だと言うのは、おとなに置き換えて見るとわかりやすいと思います。

 読みたい本が決まっていて、図書館へ行き、もしその本が貸し出し中だったり、図書館の蔵書になかったらどうするか、本が読みたい気分だったら、他の本を借りるでしょうし、読みたくなかったら借りないでしょう。

 実際問題、借りるかどうかは読みたいかどうかなのだと思います。

 公共図書館は読みたかったら借りて、読みたくなかったら借りない場所ですが、学校図書館は違います。そこで、図書館員は子どもの要求に応えられないことを苦にしてしまうのだと思います。

 しかしここで、リクエストに答えられていないという負い目から離れて、じっくり考えてみてください。

 子どもの読みたい本がないの発言の意図は、読みたい本を選ぶことができないということだと思います。

 図書館を歩き回っても、読みたい本、面白そうだと思える本が見つからない理由は、読めると言う自信が持てなくて、本の厚さや字の大きさの方が気になってしまい内容に注目できない場合と本を読んで面白かったと思える体験が足りない場合が考えられます。何回かに分けて、この辺を整理してみたいと思います。