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読書推進のための読み聞かせ

 指導主事の先生とお話しする機会があり、その時に学校司書が図書館の時間にしている読み聞かせを、子どもたちの読書推進のためにされているとおっしゃっていて驚きました。。意外と図書館に直接関わっていない人の方が、読み聞かせに関して効果を期待している印象でしたので、読書推進と集団への読み聞かせについて整理して見たいと思います。

 まず読書推進のための読み聞かせという視点は、実は現場で共通認識があるものではないと感じています。

 共通している認識としては、学校司書に限らず、小学校で読み聞かせをしているおとなの意識として、子どもたちの活字離れを憂いていることが多いと思います。

 そして子どもたちに読書をして欲しい、子どもたちにとって読書は必要だという点で一致していると思います。

 そこで、読み聞かせを、となるのですが、その際読み聞かせをどう捉えるかといえば、ざっくり3つの考え方に分かれると思います。

 一つ目は、読まないなら読んであげることで、読書体験をさせようという考え方です。

 二つ目は、絵本を読み聞かせることで、絵本のおもしろさに気づいてもらおうという考え方です。

 三つ目は、読み聞かせることで、その絵本を読んでもらおうという考え方です。

 三つの考え方のうち、二つ目と三つ目が似ている印象かもしれませんが、実は決定的に違うと考えています。

 二つ目の考え方は、読んだ絵本は本の代表で、本って面白いんだと思ってもらうことが重要で、その本でもいいけれど、できれば違う本を読んでもらおうという考え方だと思います。ですから、いかに面白そうに読むかが重要で、その人が読むからこそ面白いと思えるほど、読み方に工夫を凝らしたものが多いです。

 それに比べて、三つ目は、読み手が目立たず、絵本に光が当たる読み方、もっというと読み方は印象に残らないものが多いです。その分この読み方で読まれた本は、もう一度読んでみようという気持ちを聞き手にもたらします。

 そう考えると、読書推進のための読み聞かせに当てはまるのは、三つ目の読み方だと思います。

 けれど、今、子どもたちにこの読み方で読み聞かせをしている人は、少ないと感じています。

 なぜなら、子どもたちの前で読むのに、こんな読み方でいいのかという不安を読み手に抱かせる読み方だからだと思います。

 どこに注目するかで、絵本の選び方読み方は変わるものだと考えています。

 仕事に追われて、こう言った整理をすることがあまりないかと思いますが、面倒がらずに、整理して行くことで、優先順位がつくようになると思います。