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公平って難しい

 公共のものである限り、図書館は、利用者に公平な場でなければならないのですが、この公平を守ろうとした時に迷うことが多いかと思います。

 例えば、リクエストに答える時、相互貸借に回すものと自館で購入するものとに分かれると思います。

 購入を決める方法は、蔵書構成を考え、自館で所有するに値するかを判断をするという基本に沿っている分には、特に迷うことはないと思います。

 けれど、公平という視点がリクエストした個人にまで広がり、リクエスト回数を受益と捉えると、基本の購入基準の判断を鈍らせ、迷いが生じるようになると思います。

 レファレンスなども、誰がレファレンスをしたのかに意識がいくと、途端にその人の秘書がわりに使われているような錯覚に陥ったりします。

 公平性を考える時は、図書館が利用者主体の施設であることを思い出して欲しいと思います。すべての人に開かれているという点で、図書館は公平への道を歩んでいると思います。

 そしてすべての人が同じように使わなければ、不公平だという考え方の危うさも思い出して欲しいと思います。

 図書館は、必要な時に必要な人が使うからこそ、生涯学習の場として成り立つのだと思います。

 強制されて行うものではないからこそ、学びは楽しいものであり続けるのだと思うのです。

 ただ、利用者主体を、利用しない自由として、ほったらかしにしていいかというとそれはまた、別の問題を生むと思います。

 利用しない理由が、図書館の機能や使い方をよく知った上でのものかどうかで、自由に落とし込めなくなるからです。

 図書館の機能を生かすことを意識すると、公平性が見えてくる気がします。