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読書量

 読書は筋トレと一緒で、読む量自体が一定の水準以上に達しないと読書レベルは上がらないと言われています。

 そこで、以前も取り上げた読んだ冊数という基準が使われるのだと思いますが、難しいのは、読む量を考える際に、同時に読むスピードも視野に入れる必要がある点だと思います。

 読むスピードがなぜ問題になるかと言えば、黙読が完成しているかの目安になるからです。

 音読から黙読へ移行する際に、声に出していなくても、頭の中で音読していることがあります。この状態を唇読という言い方をする場合もあります。声に出ていなくても唇が動いていたりするからですが、これをしている限り読むスピードが上がりません。

 速読を目指さなくても、音読と黙読では読むスピードが違います。声に出していなくても音読状態だとどうしても読む量は増えにくいと思います。同じ時間読書しても読める量が違ってくるからです。

 逆効果と思われがちですが、読み聞かせで聞いた絵本を自分で読むことが、黙読へ移行する助けになることがあります。活字を追う際、読んでもらった人の声が再生されることが期待できるからです。

 そのためにも、同じ本を何度も読むことを子どもたちが否定的に捉えないように、同じ絵本を何度も読み聞かせに使うことや、同じ本を借りる事を咎めないような、雰囲気作りも大切だと思います。