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図書館とストーリーテリング

 私は、ストーリーテリングという言葉に、東京子ども図書館の松岡享子さんの著書で出会いました。松岡享子さんは、ストーリーテリングを「おはなし 」と訳され、「おはなし 」という言葉を使っていらっしゃいますが、実際聞いたことがない人に理解してもらうことが難しかったというエピソードを紹介されています。

 日本でも、語りという言い方で、様々なおはなし がされてきていますが、アメリカの図書館で行われてきた経緯があるせいかストーリーテリングは図書館との相性がいいと感じています。

 語りは、テキストを介さない、語り手が聞いてきた物語を語ることを指して使われてきた言葉でもあります。

 日本だと、遠野の鈴木サツさんなどが有名です。鈴木サツさんの本に骨の髄まで昔話のリズムが染み込んでいる感じと書かれてあって、テキストを介さないというのはこういうことかと納得したことがあります。

 対してストーリーテリングは、テキストから覚えて語ることが基本です。聞いておしまいではなく、元の本を紹介するところまでがセットで展開されることが多いです。

 ストーリーテリングが聞く読書で、読書に近いというのは、この辺の経緯があるからかとも思います。

 学校図書館、特に図書の時間が組み込まれている小学校の図書館とストーリーテリングは、相性がいいと思います。