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ストーリーテリングのすすめ

 図書館とストーリーテリングは相性が良いという話をしましたが、学校図書館、特に小学校の学校図書館でストーリーテリングを取り入れることをお勧めしたいと考えています。

 覚えて語るという手法を、ハードルが高いと感じられる方が多いのですが、お勧めの理由を挙げてみたいと思います。

 一つは、図書の時間に読み聞かせをしていらっしゃる、読み聞かせを求められている学校司書の方は多いと思います。

 多分そのために学年、クラスに合わせた絵本を選んでいらっしゃると思いますが、ストーリーテリングは、学年を選びません。全学年、全クラス同じおはなしが使えます。

 そして、ストーリーテリングは聞いてもらって完成なので、聞いてもらう場が豊富なのは、語り手にとってとても魅力的なことです。最初の一歩目のハードルが高くでも、語り手としてのキャリアが積みやすい現場をお持ちだと言えます。

 二つめは、ストーリーテリングは子どもたちの目を見ながら語ります。そのため、物語を追えているのかがダイレクトにわかります。聞いて物語が追えている子は、読む下地ができていると体験的に感じています。識字に問題を抱えたり、音に過敏だったりと様々な子どもたちがいるので、一概に言えない部分もありますが、聞いている状態が参考にはなります。

 三つめは、選書の参考になる点です。特にひとり読みを始めた子どもたちが、物語をどう追っていくのかが、語ることでわかります。子どもたちは意外にシンプルに物語を捉えます。おとなが気にするところが気にならない場合も多いです。この辺がわかると選書がしやすくなります。

 もちろん、ボランティアを入れてストーリーテリングをという形でも子どもたちの読書を応援することになります。

 学校司書が語ることは、子どもたちだけでなく学校司書のスキルアップに役立つと考えています。

 学校司書とボランティアが力を合わせていければと考えています。