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リストを考える

 子どもの本に関わっていると、おすすめの本リストが欲しいと言われることがあります。

 確かにリストは、どんな本があるのか全体像を見る時に便利だと思います。

 また、多くの人が選ぶことに苦戦しているので、リストがあったらという気持ちは、多分セレクトショップに求めているような要望なのではないかと思います。

 自分と趣味が近い人、もしくはそのジャンルの専門家にある程度ものをしぼってもらって、その中から選んだ方が、欲しいものに出会うチャンスが広がるという感じなのかと想像します。

 それは図書館の蔵書すら、選ぶのに多すぎると感じている人たちがいる事だとも思います。

 この点をリストを作る側は、意識する必要があるのだと思います。

 エコール内で発行されている、「この本読んだ?」は、きちんとこの辺を踏まえて、こんな本ありますよという提案になっていて、とても図書館的だと思います。

 新刊案内でもなく、これさえ読んでおけば的なおすすめでもなく、さらりと軽やかに本の紹介をしています。

 子どもの本について学んでいる場合、必読書というのは存在すると思います。

 けれど、リストを、これさえ読んでおけば大丈夫 という必読書的な捉え方をされると、読書が読書でなくなる感じがします。ましてや何歳むきといった括り方に違和感を感じます。

 ただリストを作る側だけでなく、利用者にも必読書があると思っていらっしゃる方がいます。この点を分かってもらうために、どうしたらいいかを考えていくことも、図書館が図書館らしくあり続けるための視点だと思います。