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電子書籍

 教育現場で、ひとり一台のタブレットの導入がハイピッチで進んできています。学校でもタブレットの充電用の機械を目にするようになってきています。

 学校でのネット環境が整えられ、子どもたちがタブレットを日常的に使用し出すと、図書館も電子書籍の取り扱いについて無視できない状況になってくると思います。

 今のところ、電子書籍の取り扱いは、個人利用のシステムが先行していて、図書館での取り扱いについて、出版社がどう環境整備してくるのかを、決めかねている印象です。

 既に紙媒体ではない形で、図書館に導入されている例としては、電子ジャーナル、オンラインジャーナルと呼ばれる学術雑誌を電子化したものがあります。学術論文は、先行論文が研究を左右するので、スピードが重要視されることと、多種多様なテーマの雑誌を取り揃える物理的な保管場所の難しさを解決するために

普及したと考えられます。そのため主に大学図書館や国立国会図書館で導入されていますが、義務教育の学校図書館や公共図書館で参考になる例ではないと思います。個人利用の電子書籍も、紙媒体に比べ場所を取らない、いつでもどこでも読めるという利便性が取り上げられますが、その分、ネット環境と読み取り機器頼みなので、利便性が高いかといえば疑問が残ります。

 新しい環境になったら、新しいことをしなければならないと焦らずに、優先順位と、私たちが何を守らなければならないのかをじっくり考える時期がきているのだと思います。