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聞くことと読むこと

 ストーリーテリングを聞く読書という言い方をすると、以前にお伝えしました。

 ストーリーテリングを楽に聞くことができる子は、活字を追うことにさえ慣れれば、読むことが比較的容易にできると、体験的に感じています。

 ストーリーテリングを聞くというのは、言葉を単語として塊で受け取り、単語から文章へそして場面へと語り手がイメージを固めることで、まとまりとして受け取る作業だからではないかと想像しています。

 また書かれている文字が識別できることと、単語、そして文章として捉えられるかは、同義ではないというのは、知られていることですが、何が単語、文章として捉える要素かの明確な答えはまだ出ていないように思います。

 ただ単語、文章として捉えているかどうかは、音読をさせてみるとよくわかります。きちんと捉えていれば、単語の半ばで切れたりぜず、意味が伝わるような読み方ができるからです。

 ひとり読みを始める時期の子どもたちに、音読が推奨されたり、物語を聞くことが推奨されたりするのは、文字を塊として捉えるトレーニングだということが、経験知として、現場の先生方が感じていらっしゃってきているからかもしれません。

 そう考えると、読書に繋がる読み方というのは、自ずと決まってくるのかもしれないと思います。