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蔵書

 図書館は、蔵書が蓄積されていきます。この蔵書は誰のものかといえば、公共図書館なら、その自治体の住民すべてのものになりますし、学校図書館ならその学校の児童生徒教職員のものになるというのは、言うまでもないことだと思われてます。

 このように蔵書という塊で考えるとすっきりしているのですが蔵書は、選ばれて蔵書になります。選ぶということは、選ばなかったものがあるということです。そして、選ばれなかったものを誰も必要としなければ問題はないのですが、必要とする人はいるのだと思います。

 誰のために、何を蔵書にしていくかというのは、図書館のあり方を示すものです。

 利用者主体である以上、利用者の要求に応えることは、図書館の努めです。けれどそれは、必ずしも自館の蔵書である必要はないという形で図書館は発達してきたように思います。

 今のような地域での図書館ネットワークがない時代から、相互貸借のシステムは存在しましたし、今も存在しています。

 納本制度があるので、出版された本は必ず見ることができるというのも、図書館の強みです。

 けれど、予算が少ないから他から取り寄せればいいやという消極的な理由で他の図書館に依存していくと、結果図書館全体が弱体化していくと思います。

 各館が真剣に、選書し蔵書を適正に保つことでネットワークなどの図書館のつながりが活きるのだと思います。

 当たり前すぎて、何を今更と言われそうな話で恐縮ですが、それでも蔵書と向き合って欲しい、向き合いたいと思います。