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力をあわせる

 ひとりでできることには、かぎりがあるので、力を合わせたいと思っています。

 力を合わせるには、それぞれの思惑が微妙に違うことや、方向のすり合わせや、手順の組み方など、ひとりで取り組む時には必要ない手間が増えるので、効率的じゃないと感じる人もいるかもしれません。そして集団になると、責任の在り処や協調性といったものが縛りとなって、動きが鈍ることもあります。けれど、折り合いをつけたり調整したりといった手間が増えたとしても、集団で動くことで生まれるものは魅力的だと感じています。

 それは、目的に対する賛同者が増え、個人の趣味の領域から、共同のものとして細やかでも社会的地位を持つ活動になるからだと思っていました。

 そして、力をあわせる人が増えても円滑に活動できるために、組織を構成したり、価値観が近く主義主張が近いことを確認して人を増やすことが重要だと思っていました。

 けれど、大事なのは、話し合いの場なのではないかと思うようになりました。

 現状、会議は形骸化され不毛な時間が増えていて聞いただけでうんざりされる方もいらっしゃると思うので、あえて会議ではなく、話し合いという言葉が浮かびました。

 今私が考えている話し合いは、答えがわからないことを、一緒に考え続ける場という感じで想像しています。

 新しいものを生み出すための場と言い換えてもいいかもしれません。簡単にいかないからこそ、腰を据えて考え続けていい場、結果が出ることを最優先にしない場が必要なのだと思うのです。

 そういう場を作り、継続していくには、同一の価値観や意見でなくても力を合わせることが必要だと思います。摩擦を怖がらずに力を合わせていけたらと思っています。