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なんとなくいい感じ

 新しく人と出会う時、自分が信頼している人がこれから出会う人の人となりを褒めていると、出会う前からなんとなくいい印象を持つことがあります。

 何か買おうとした時も、お店の人の印象が買おうとした物の価値判断に影響することがあります。

 人を直接介さないネットショッピングでも、先に購入した人の声を多数集め購入者に見てもらうことで、商品の信頼を勝ち取る仕組みになっていたりします。

 同じように図書館も、図書館にあるものは信頼できるといった、なんとなくいい感じを持ってもらう役割を持っていると思います。

 しかし本という情報を提供しているので、図書館の蔵書は利用者の取り扱い方によっては毒にも薬にもなるものではあると思います。

 そのため信頼されつつ、図書館の蔵書からもたらされる情報を鵜呑みにせずに自分の中に取り込んで考える材料にして欲しいと思うのですが、この感覚は共有するのが難しい感じで、うまく伝えられずに歯痒い思いをすることも多いです。

 個々の蔵書の内容は想像の産物や断言できない段階の仮説なども含みます。そのため蔵書構成も含めての信頼なのかもしれないと思いますし、利用される事で、新しい発見や創造が生まれることを見越しての蔵書なのだとも思います。

 なんとなくいい感じと漠然とした信頼がある状態を保ちつつ、これからも信頼される蔵書を保っていけるといいなぁと思っています。