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どう聞こえるのか確かめる

 今や図書館で読み聞かせをするのは当たり前になっています。私が図書館で読み聞かせを始めた頃は、まだ図書館での読み聞かせは、社会的に認知されていない状況で、幼稚園、保育園で行われているものという認識だったと思います。それを図書館でその当時珍しいボランティアでやろうというのですから、図書館自体の反応もやりたいならやってみればといった中立な感じでした。その分、自分たちのやりたいこと目指したいことをいつも確認しながら活動ができたので、飽きることもぶれることもなかったような気がしています。

 逆に、今は読み聞かせの必要性が先走り、なぜ必要なのか、どういった形で進めていくのかを気にする機会が減っている気がします。とにかく読み聞かせをしなければならないがスタートで、認められ、求められているのに、どう進めていったらいいのかわからない人が増えている気がします。

 迷った時に助けになるのは、その絵本がどう聞こえるのかを確かめることです。絵だけ見て文章を聞いたらどう伝わるのかを確認してみてください。どう聞こえるかで、その絵本をどんな形で子どもに渡したらいいかがわかります。聞こえ方を確かめるには、誰かに読んでもらわないと判断がつきません。残念ながら自分で読みながらではわからないのです。読み方の工夫をする前に聞いて確かめることが重要だと思います。