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聞いて確かめる場を作りたい

 図書館、特に学校図書館の絵本の棚を整理していくためには、子どもが物語をどう受け取っていくのかを知っていることが必要だと考えています。そして物語をどう受け取るのかを知るために、聞く側に回ることが助けになると考えています。読み聞かせに向く絵本というのは、絵と文章のバランスが取れていて物語を渡す力に優れています。それは自分で読みだす前から絵の力を借りて物語を受け取ることができるほどです。おとなになると読むことしかしていない人が大多数です。意図的に聞く場を持たないと聞く機会がないのではないかと思うので、聞く場を作りたいと考えています。物語の受け取り方を知るためには、読み聞かせに向いている絵本を、絵本が主役になる読み方で聞かないとわからないのです。上田子どもの本研究所に関わっている人たちは、何らかの形で読み聞かせをしている人が多いと思いますが、目的は様々で、使う絵本も読み方もそれぞれだと思います。読み聞かせを実践したことがない人もいるでしょう。普段私のやっている勉強会は読み手の育成に比重を置いたものです。けれど今回は絵本を見分ける力をつけることを目的として勉強会が必要だと感じています。上田子どもの本研究所の活動の始まりは、集まって話し合いではなく、こんなところから動き出してみたいと思っています。