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置かれた場所で その1

 子ども読書推進の世界では子どもを読書に誘う方法をいつも求めていて、新しい方法が注目されては次の手法にとって変わられるという流行があると感じています。

 これは図書館大会や教員向けの研修会が地道に行われている成果で、子どもに関わる司書や教員といったプロの努力の表れだと思います。

 ただ一斉に展開されるために子どもの発達段階が反映されにくく新しい手法を取り入れることに注力しすぎた印象があります。新しい取り組みをすることは達成感があります。また今の社会では目に見える成果を求められ、成果をあげることができなければ仕事の質を問われます。読書を支える活動を可視化しろというのはなんとも乱暴なことだと思いますが、費用対効果で判断される今の社会では致し方ない面もあると思います。

 けれど今学校教育が大きく変わろうとしています。子どもたちが自発的に学ぶことがより一層重視されています。これは集団だけでなく個に比重を置くことも求められているということで、より細やかな対応が必要になってきています。効率と逆の方法に舵が切られていますが、そのための予算等の措置はされていないという頭が痛い状況です。

 問題は山積みですが追い風でもあると思います。元々個人に寄り添うことが得意な図書館です。工夫の余地がある気がしています。今考えていることを次回から順次整理してみたいと思います。