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置かれた場所で その2

 子ども読書推進を考える際、大切なのは手法を変えないことではないかと感じています。けれど子ども読書推進の手法には流行があり手法が変化する傾向が続いています。そして流行によって手法が変化するために手法を磨き深めることが置き去りにされています。皮肉なことに手法を磨くことができないことが手法を変えたくなる原因にもなっていると感じています。

 成長過程にある子どもたちは、揺らぎながら変化していきます。子どもたちの読み方を観察し細やかに援助できることが専門性であると考えています。手法の選択ではなく援助する力を磨くことが子ども読書推進の力になるのだと思うからです。援助する力を身につけるには時間をかけて取り組んでいく必要があります。言うまでもありませんが同じ子どもはひとりもいませんし、年齢が同じでも同じ集団にはなりません。学年が同じでも同じことが起こるとは限りません。同じことをしていてもうまくいかないことは珍しいことではありません。うまくいかないところからが腕の見せ所だと思うのです。うまくいかないのは手法のせいとは限らないと思います。手法がたくさんあることは歓迎すべきことだと思います。けれど手法を新しく取り入れることを繰り返すと手法を十分活かし生きれないことにもなると感じています。様々な手法の専門家がたくさんいることが手法がたくさんあるということなのだと思います。