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アニメvs漫画

 メディアミックス化が進み、好きで追いかけていないと何が原作かわからないものものが増えてきていますが、漫画とアニメを比較して意図的に見たことはありませんでした。まとめてアニメを見る機会があったので整理して見ます。

 まずアニメ化されると絵の印象が変わります。原作の絵、特に人の絵が好みではないものでも、絵の質が変わり気にならなくなりました。そして漫画の紙面では表しきれない質感や風景の広がりなどはアニメにすることで世界観が補強される感じでした。ただ写真のような背景は使い方によっては全体のバランスが崩れて逆に説得力を欠くものもあり、一概には言えないところも興味深かったです。

 次に動くことでより美しさが増すものがあることに驚かされました。技術の進歩も大きく貢献しているのだと思いますが、人物に限らず実写では表現できない微妙な誇張が、より真実味を増す感じがアニメ映像のおもしろさだと感じました。アニメーションは絵を動かすことで発達してきたので当たり前のことなのでしょうが、心が惹かれたものは動きが印象に残る作りでした。

 そして音ですが、これは漫画では読者が独自に脳内で再生しているものなので、自分のイメージに近いかどうかで評価が分かれる気がします。音楽がついて世界観が補強される感じのものと邪魔をされる感じがするものがありました。また音楽を演奏するシーンなども違和感があるものと自分では再現できなかったものを補足してもらえるものとありました。ただ漫画とアニメのどちらを先に見たかによっても評価が違う気がしました。

 やはりアニメで表現することに向いている内容と向かない内容があるということだと思います。漫画かアニメか迷った時は、作者は自分が伝えたいことに向いている表現方法を選んでいると考えて間違いはないと感じました。