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お気に入りの子どもの本は何ですか?

 月1回のペースでお茶を飲みながら本の話をしようという集まりをしています。残念ながらコロナ禍で現在お茶は我慢になっていますが、集まり自体は続けています。課題の本があるわけではなく、参加者はそれぞれ今お気に入りの本を持ち寄りそれぞれ紹介するスタイルです。ルールは今お気に入りの本なので、小説やエッセーに限らず雑誌、漫画、写真集など様々な本が紹介されます。

 この集まりを始めて思うのは、持ってきた本への思いは、紹介の仕方に関わらずちゃんと伝わるということです。話し方や手際よく紹介しているかより、紹介者がその本のどこに惹かれたのかが伝わることが紹介された本の魅力を引き立たせるのです。

 そしてこの集まりのもう一つのルールは、自分が何者かは自己紹介しないことです。この本が好きな私という形で知り合っていきます。時間が合えば来てくださいという緩い集まりなので、いろいろな方が気が向いた時にいらしてくださいますが、お会いする回数が増えると紹介される本がその人らしいと感じるようになるのも楽しみの一つです。その本を紹介した人として参加者同士の記憶に残り、「あの本を紹介した人」と次回以降の集まりで話題になったりします。

 また紹介された本を読みたい場合は図書館にリクエストを出したり、ものによっては紹介した人に借りたりして、実際読むことも楽しいです。紹介された本を読んでそれをまた紹介することもあり、本で繋がる感じが気に入っています。

 やはり本は読んでみないとわからないと思います。今図書館では新しく購入する本を新刊案内から選んでいます。現状の出版点数に対応するには今のやり方が適している部分もあります。けれど読んで確かめることでしか判断がつかないこともあります。特に子どもの本は読んで確かめたいと強く思います。その時間と手間を誰がどう作るのかと考えると無謀で無責任な考え方と笑われそうです。それでも読んで確かめ合う場を作りたいと考えています。あまりハードルを上げずお気に入りの子どもの本を持ち寄るところから始めてみたいです。