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識字の拠点

 公共という形で図書館があることは、とても豊かなことだと思います。図書館の場合無料の原則がありますから必要最低限のルールさえ守れば、来館者を選別しないという点で公共性も高いと感じています。図書館は人生のどの時点からでも本人の意思で学ぶことが可能な開かれた場所であることから生涯学習の拠点とも言われます。そして学校のように学びに並走してくれる人や導いてくれる人はいませんが、文字さえ読めれば学びの扉は開けます。もちろん独学では限度があることもありますが、どうしたら知識や技能を得られるか調べることができます。

 私が活字を苦もなく読めるようになる事を子ども読書推進の基盤だと考える理由はここにあります。人生何が起こるかわかりません。自分の暮らしを守るには自分から動くしかありませんし、それを知る必要があります。特にもしもの時の生活を支える公共のサポートは申請しないと受けられません。また運転免許証のような今やほとんど誰もが取得する資格でも活字が読めないと取得できないのです。今の社会のルールでは読むことが苦手でも読めるようになる必要はあると考えています。公共図書館が生涯学習の拠点なら、学校図書館は識字の拠点だと思います。子どもたちの将来を見据えて子どもたちをサポートしていく必要があります。子どもたちのつまずきに合わせて読めることの下支えをし、押し上げる視点を持つことが大事です。