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やっぱり読書!?

 友人に、興味深い話を聞きました。新入社員のサポートで新人の日誌をチェックしているのだそうですが、その新人が驚くほど日誌に苦戦しているというのです。どういう目的でどう書いたらいいのかを繰り返し教えても、とにかく書けない。自分の気持ちや感想は書けても業務内容に沿った自分の仕事内容の日誌にならない。いろいろ試した結果、語彙が少ないのではないかと思い、本人に尋ねると子どもの時から教科書以外、本は読んでいないという答えが返ってきたのだそうです。入試や入社試験はパスしていて、識字や知識に問題があるわけではないので、読書量が反映するのかもしれないと思ったそうです。

 そしてその話を聞いて私も子どもたちが書けなくなっていると漠然と感じている事を思い出しました。書けなくなっているというより、書かなくなってきていると言ったほうがいいかもしれません。読書と一緒で書く能力も訓練の上に成り立っています。繰り返し書くことで上達します。けれど書く機会が減っているのではないかと思うのです。書くことは時間がかかります。けれど最近はコミュニケーションもスピード感を良しとする風潮があります。そうすると文章を作ってやりとりすること自体まどろっこしいと感じてしまうのだと思います。それを反映するかのように文章でのコミュニケーション手段も手紙からメールになりラインになりと文章の組み立てが必要ないものに移行しているような気がします。そして書いても読んでもらえなければコミュニケーションは成り立ちません。読む事が億劫だという感覚も書けないことの原因になるのだと思います。手前味噌ですがやはり読む事に真剣に取り組む必要があると感じました。