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成長を楽しむ

 全国どこの学校でも均一の水準が保てるよう定められた学習指導要領に基づいて学校教育は営まれています。そして学校教育法で、教科等の年間の標準授業時数等が定められそれに従って学級運営がされています。そのため学級担任は単年度で区切って子どもたちを見ざるを得ない立場です。これは子どもの成長を考えた時にとてももったいないことだと思います。子どもの成長は個人差が大きく思いがけないことの連続です。そして変化が見えず報われないと思うことも多いものです。けれど何の予兆もなくある日突然変化することもあります。子どもの成長が予測不能だと感じることは資格や知識で克服できることではなく、予測しきれないからこそ人として育つことができるのだと思います。

 学校司書は学年を超えて子どもたちと関わることができるので子どもたちの成長を感じ、見守ることができます。けれど学校司書は図書館から離れられないし、たった1人で全校の児童生徒に対応するのですからそんなことできないと思い込んでしまいがちです。それでも全校の児童生徒が同じ回数同じ条件で図書館に来る訳ではないので見守るのは図書館によく来る子どもたちでいいのだと思いますし、不公平なことではないと考えています。そして成長を感じたら、学級担任と共有することが大事だと思います。すると図書館も一緒に子どもの成長を見守っているという連帯感が生まれます。学校司書は教師ではないので子どもを指導する立場ではないと考える人もいますが、指導に基づく評価ではなく子どもに関わるおとな同士が成長を共に喜ぶことも学校現場では必要だと考えています。そして成長を楽しむという点では学校司書は恵まれた立場にあると思います。