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教科書にびっくり!

 教科書が変わってきているというのは以前から耳にしていたのですが、小学校の国語の教科書で図書館について説明していると聞いて、1年生から6年生までまとめて読んでみました。じっくり読んでみて本当に驚きました。図書館の説明が取り入れられたとか古典が入ってきたなどは些末なことと思えるほど本質的に変化していると感じました。

 まず章ごとに取り上げる読み物だけでなく学びのポイントが書かれていて、私が思い描いている国語の教科書とは別物の印象でした。その単元で何を学ぶのかが明確に伝えられ習得のための道筋や手がかりが説明されているのです。学びの主体が誰かという事がはっきり伝えられ小学生でも自発的に学ぶ事が求められています。

 次に国語といったら教科書に載っている文章を読んで完結するものと思っていましたが、現在の教科書は、教科書だけでは求められていることは学べないような作りでした。教科書で取り上げた内容を実生活に落とし込む工夫がされていて、学ぶ理由が実感できることに重点が置かれていると感じました。

 読書関係では、教科書で取り上げられている本の種類が格段に増えています。併せて読書した後の活動がたくさん盛り込まれています。取り上げられている本は以前のような興味があったら読んでみましょうではなく、副読本的な扱いのように感じました。その学年で読むべき目安としてだけでなく、子どもたちに読書習慣がついていることを前提として本が紹介されていると感じる冊数と品揃えです。けれど現状では、取り上げられている本を読める子の方が少ないのではないかと思います。特に高学年になるにつれて、読み応えのある本が数多く取り上げられ新しい作品ばかりでなく読み継がれている本も取り上げられています。学校図書館によっては、今まで子どもたちが手に取らないという理由で廃棄してしまったような本が入っているのです。

 新しい指導要領がどう変わったかはわかっているつもりでしたが、教科書でこれほど変化を感じるものだとは思いませんでした。そして現在の国語の教科書は子どもたちが読めることを前提とした作りになっていることを私たちは強く心に留める必要があります。それも読み応えのある本を読める事が求められています。特に6年生の教科書に載っている本は、私が中学生に紹介したい本が混ざっていて現状との差に焦りを感じました。学校図書館のあり方が問われていると危機感を持ちました。