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読み応えのある本

 国語の教科書に紹介されている本を見て、子どもたちをサポートするという点では、その困難さに危機感を覚えましたが安心したこともあります。それは読書の必要性を強く感じる内容だったことです。そして選ばれている本が新しい本ばかりでないことは、私の選書の方向性が肯定されていると感じました。やはり時代を超えて読み継がれている本は子どもの読書にとって必要なものと考えて良いのだと思います。

 時代の風を感じる新しい本は、読書に苦手意識を持つ子どもたちでも手に取りやすいという点で必要なこともあります。けれど選書する際手に取りやすさに囚われすぎると、新しい本ばかりが子どもたちに支持され、読むことに苦手意識のない子どもたちまで今風の作りの新しい本ばかりを追いかけるようになってしまいます。そして時代が評価を通したタイプの読み応えのある本は今風でないだけで敬遠されてしまいます。

 では子どもがどこで今風かを判断しているのか観察していると、表紙の絵と本の新品度合いがポイントではないかと思います。まずは、時代を超えた本の買い替えをお勧めします。いっぺんには無理でもおすすめの本こそいつも綺麗な状態のものを準備したいものです。そして表紙の絵や装丁で選ぶ癖は、おもしろい本の選び方を子どもたちに伝えていくことで改善できると考えています。これについては次回改めて取り上げます。