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学校と学校図書館

 学校図書館の難しい点は、学校図書館と児童生徒という関係と学校図書館と教職員そして教職員と児童生徒という3つの関係の上に立っている点だと思います。学校図書館がどういう場所で何をどうしていくのかという考え方は残念ながら学校図書館、児童生徒、教職員で違います。もっというと学校図書館、児童生徒、教職員でも統一していないと思います。図書館の蔵書は扱っていない分野がなく使われ方も様々なこともあり、人によって捉え方が違うので仕方がないことかもしれません。

 けれど児童生徒にどうアプローチをしていくのかは学校図書館の立ち位置をはっきりさせ、利用者である教職員、児童生徒ともに図書館がどういうところで何をするところかの共通認識を持ってもらわなければ考えようがないことも事実です。けれど共通認識のすり合わせをする場がないことはずっといわれてきたことです。その理由として勤務時間の関係で学校図書館司書は職員会議に出席していないことが指摘されてきました。職員会議はその頻度から予想すると基本現状で起こっていることの情報共有やこれからの予定を確認し仕事がスムーズに進むように行っているのだと思います。これは学校図書館とも無縁ではないので、この点の情報共有も必要だと思います。

 しかし早急に必要だと考えているのは、学校図書館の役割の確認です。このような原点に立ち返った議論をする場として職員会議がふさわしいのかと考えると少し違う気がします。適当な言葉が見つかりませんが、強いていうなら研修会、勉強会といった場が必要なのだと思います。新しい国語の教科書を見ても今までより読む力を学校全体で支える必要があります。学校として学校図書館をどう捉えどう活用していくのかのアップデートをしていかなければ、学校図書館は真価を発揮する機会が持てません。学校は本当に忙しくやらなければならないことだらけで、この提案が歓迎されるとは思えません。それでも今、取り組むか取り組まないかで新しい指導要領に沿った学習の展開に違いが出ると予測しています。多分過去にも指導要領の変更に伴い学校図書館のあり方をアップデートしたほうが良いタイミングが何回かあったと思います。けれど学校として取り組むのではなく、学校図書館が単体でアプローチしたために思ったほどのアップデートになりませんでした。過去の反省を踏まえ、今回こそアップデートするための方策を考えていければと思っています。