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変化は穏やかに

 国語の教科書の変化に驚きましたが、学習指導要領は教育の方向性を示し、学校教育で子どもたちが何をどう身につけていくのかが書かれている地図のようなものだと思います。そしてほぼ10年ごとに見直され新しい方針が示されているのにも理由があると思います。社会情勢の変化は子どもたちの成長にも影響を及ぼすため子どもたちの変化に合わせて子どもに必要なスキルを見定める作業でもあるからです。古い地図では道路状況が変わって道案内の役に立たなくなるような感じなのではないかと思っています。

 こう考えると問題は新しい学習指導要領ではなく、そこへの移行の仕方なのではないかと思います。教育は継続しているものです。服を着替えるように新しい方針に移れるわけではないところが難しいと感じています。古い地図と新しい地図の位置合わせをしないと新しい地図を使いこなせないばかりか道を見失うようなことが起こりそうです。新しい地図を見て道の険しさを読み取るのではなく、古い地図上の地点が新しい地図上のどこを示しているのかを把握することが大事だと思います。

 学習指導要領がどう変化しても、読む力の必要性は一貫して示されています。図書館は読む力に寄り添ってきましたし、これからも寄り添っていきます。変わらない部分を支えていることを忘れなければ変化に対応していけるはずだと思います。今まで通りにやるというより、守るべきことを意識して活動していたら自ずと道が見えてきて変化していけるのではないかと感じています。