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今年の「本はともだち」

 今年度の「本はともだち事業」の実施校が決まり、事業が動き出しました。「本はともだち事業」は内容に変更もなく基本小学校2年生が対象で例年通りなのですが、打ち合わせをしていて今年は例年と違うかもしれないことに気がつきました。

 今年の2年生は、小学校入学直後に緊急事態宣言により1ヶ月以上の休校を体験した学年です。そしてその後は新しい生活習慣に基づき、人との距離をとって生活しています。マスク着用は必須で大声を出すことも友人と戯れ合うことも控えないといけない状況です。制限がかかった状態しか知らずに学校生活を過ごしているので仲間意識が育ちにくいのではないかと思います。以前の学校生活を知っていて制限のかかった生活をしている子とコロナ対応しか知らない子では違う可能性があります。

 紹介した本を全員が全冊を読もうという「本はともだち事業」ではクラスの仲間意識が読書意欲の後押しとして働きます。「〇〇ちゃんが読めたなら自分も読める」と他の子の読書が個々の読む意欲に影響するのです。これは小学校低学年の特徴だと感じています。実際学年が上がっていくと「〇〇ちゃんは読むのが得意だから読めるけれど自分は苦手だから読めない」という反応になっていきます。こういった経験を踏まえてこのプログラムの内容に適している2年生を対象に実施しているのです。

 ですから本はともだち事業にとって仲間意識はとても重要です。この仲間意識がコロナ対応の学校生活でうまく培われていないとすれば、場合によっては紹介する本を変えていく必要があるかもしれません。紹介する本のリストを作りながら、いつも以上に慎重に進める必要があると感じています。