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変わるとき

 私は子ども時代、親たちからテレビを長時間見ると目が悪くなるので、長時間見てはいけないと言われて育ちました。そのためか学校でタブレットで学習をしたり、モニターを使った授業が日常的に行われることに戸惑い、心配になったりします。もちろんタブレットやモニターを使う必要性に迫られての変化だとわかっています。けれどゲームの長時間使用が子どもの発達に影響を及ぼすという研究結果が出ています。問題にされているのはゲームの内容で機器を使用することだけに原因があるわけではないのかもしれません。そして学習使用でどのような影響が出るかを検討するほどデータがないのも事実です。タブレット使用の影響が子どもたちにどんな影響があるのかはっきりしていない中で新しい学びに取り組んでいることを意識する必要があります。

 教育現場で新しい取り組みを始める時、すべてのおとなが協力して組織的に動くことが変化の原動力になります。しかし新しい学びは一気呵成に仕上げるものではなく慎重な姿勢も同時に必要です。慎重な姿勢は新しい取り組みを阻害したり反対や中止を唱えるものではなく、何が子どもにとっての最善の環境になるのかを見極めるために大切です。そうして導き出された答えが取り組みの成果になるのだと思います。そして関わる立場によって優先したいものが違うはずです。教育現場として何を優先し何を後に回すのかを関わるおとな全員で検討し情報共有する必要があると考えています。