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道具に使われているかも

 会議などの情報伝達手段としてプレゼンテーションという手法が使われます。このプレゼンテーションという手法は、パワーポイントなどのパソコンのソフトを使って行うことが主流です。パソコンとプロジェクターを繋ぐと画面を投影することができるので使い勝手が良く、様々な場所で見るようになりました。

 パワーポイントには図や表の雛形があり、説得力を高めるために視覚に訴えた加工ができる機能が揃っています。そのためパワーポイントを使いこなしていることが前面に出ると見応えはあるものの発表者の主張の芯が見えにくくなることがあります。意見ではなくパワーポイントの機能が主役になるという本末転倒なことにならないよう注意が必要です。

 これは他人事ではなく一番危ないのが自分だったりします。例えば理由をあげたりする際に画面のバランスで項目を考え取り上げる数を決めたりすることがあります。すると後付けの理由は意外とあげられるもので、見た目はきれいになりますが論点がずれたものが混じり込んで、気がつかないうちに主張がぶれることがあります。他にも最初に図ありきでわかりやすい説明のつもりで無理やり意見を当てはめたりしてしまいます。優秀なソフトだからこそ、使ってみたい機能がたくさんあり仕上がりが美しいので誘惑が多いと感じています。けれど道具に使われてしまっては、なんのためのプレゼンテーションかわからなくなってしまいます。考えを整理する時は一つの手法だけを使わない方がいいのかもしれないと感じています。