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腹を割って話す

 上田子どもの本研究所をやろうと思った時、まず仲間を集めることを考えました。

 私は新しいことに取り組むには、仲間がいた方がいいと考えています。ひとりで始めると何事も自分の頭の中だけで考えるので、自分に都合のいいように修正がかかりがちで、行動に移した際にうまくいかないことが多いからです。そして仲間を作るには、考えていることを伝えなければなりません、伝えるために口頭もしくは文章にすると、自分の中で整理がつき問題点が見えてきます。そのためこの段階で自分の限界までの改善ができます。更に誘った人たちの疑問、質問に答えたり要望を聞いたりしていると、より具体的な方向性が見えてきます。そして仲間ができたら前例のない活動に取り組むわけですから道無き道を共に歩くことになります。このため前例のないことを進めるには議論が欠かせないと考えています。

 けれど議論が苦手な人が多いと感じています。それは議論することを 争っている、敵対している と感じる人が多いからではないかと推測しています。そして異論を唱えることは、相手を否定していることではないと思いますが、意見と意見を言った人の人格が切り離せない受け取り方をする人がいることも事実です。異論を人格否定ととられてしまっては議論は成り立ちません。また議論を論破することだと考えている人がいることも議論することを難しくしています。議論はより良い答えを共に見つけるためのもので、相手の意見の綻びをつくことではないと考えています。正解がわかっていることに取り組む際には、どちらが正しいかという判断が必要ですが、道無き道をいく時は共に考えることが必要です。ですから議論したいと考えています。それには本音をいえる関係とそれぞれが持てる力を自覚し公表し認めあう関係が必要です。言い古されていますが腹を割って話す事が議論の基本かもしれません。