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人とつながる

 「本はともだち」事業は、本の紹介に入る私だけでなく担任の先生、学校司書との連携で事業を進めます。それぞれの立場で見えていることをすり合わせて子どもたちの活動を支え、子どもたちの特徴に合わせた内容になるよう共に事業を進めます。そのため情報共有と信頼関係が欠かせないと考えています。

 けれど「本はともだち」自体が何をするのかが分かりにくいようで、初回を見るまで内容がよくわかっていなかったという感想をもらうことが多い傾向にありました。そこでその都度、説明の仕方を変えてきています。そして「本はともだち」の開始前と中間に担当の先生方に集まっていただき打ち合わせの会議を開いて対応してきました。会議には本を提供している公共図書館の担当者、事業の主管である学校教育課の担当者も参加し意見交換したことが事業の調整や改善につながりました。けれど平成18年の真田町、丸子町、武石村との合併で、先生方の移動の時間を考えると集まることが難しくなり一堂に会する会議ができなくなりました。そのために電話やメールで質問を受け、回答するという対応になっています。それでも事業を進めることができてきたので、あまり問題にしてきませんでした。「本はともだち」は先生同士の口コミで広がった部分が大きいため継続してきた時間に助けられてきたのだと思います。

 ところが今年度、口コミではなく「本はともだち」をはじめる学校が出ました。その対応もあって打ち合わせの希望があれば私が学校へ伺うことになりました。時間のすり合わせ等の手間もあり、どうなるか心配したのですが実際希望を頂き打ち合わせが始まっています。打ち合わせをしてみて、このような時間を持つことが大事なのだと感じています。チームとして動く必要があるなら、チームとして顔合わせをしておくことで安心感が生まれると感じます。一緒にと言いながら一緒を感じる場がなかったと反省しています。人とつながることは、お互いにやり取りした時間の積み重ねから始まり、それが信頼感となりチームとしての原動力になるのだと思いました。