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習慣

 昨日、今年度の「本はともだち」がスタートしました。「本はともだち」は学校司書にも参加をお願いしています。昨日は教室が会場でしたが、学校司書が教室にいることが子どもたちには新鮮な驚きがあるようでした。図書館にいる人という認識があるので、なんでという素朴な疑問と逢えて嬉しいという歓迎の気持ちが感じられ、微笑ましいと思いました。学校司書と子どもたちの信頼関係がきちんと築かれていてこその反応なので、学校生活に図書館利用がきちんと根付いているのだなぁと思いました。

 子どもたちの成長は習慣形成が基本なのだと改めて感じます。そして習慣形成は同じことをコツコツと地道に続けることでしか身につかないので、関わっている人の忍耐強い働きかけが必要です。けれどこの働きかけが意外と目立たないことに歯痒い思いがします。光が当たらない縁の下の力持ち的な活動がなければ子どもたちの育ちは望めないことを意識することが減っている印象です。これをやったらこうなるという取扱説明書のような知識では、子どもの育ちは支えきれないという感覚が社会全体で薄れている気がします。子どもの育ちに関しては動物的な本能のようなものも反映させる必要があり、身につくまで辛抱強く付き合う姿勢が欠かせません。この一見泥臭い行為ができる人が減っているのではないかと感じています。子育てのプロがお母さんだった時代はこの泥臭い行為がお母さんの役割だった気がします。時代が変わって役割が変わっていく中でこの辛抱強い働きかけは子どもに関わるすべての人が自分の役割の中で発揮しなければならなくなっているのだと思います。学校図書館を使うという習慣は、学校司書と担任の忍耐強い働きかけなしでは身につかないのだと思います。その習慣がより活性化するための燃料としての役割も「本はともだち」に必要な部分だと感じました。