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読み聞かせと子ども読書推進

 子どもの読書活動の推進に関する法律が制定されてから、学校等で読み聞かせが行われることが増えました。この法律自体が子どもの読書活動の推進に関して国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、子どもの読書活動の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを定めているため、計画に読み聞かせが取り入れられたことが大きいと感じています。この法律の果たしている役割は大きいと思いますが、読書という個人の営みに関わるため、子どもの読書活動推進の目的は子どもの健やかな成長に資するとなっています。図書館法などもそうですが、あまり具体的な目的を掲げると読書活動が不自由になり本末転倒になりかねないため、できるだけ多くの活動が該当するような内容です。けれど許容範囲が広いということは、とりあえず活動していますという形にもなりかねません。そしてこれが法律の限界なのだと思います。そのため現場は子ども読書推進計画から何を汲み取って実践していくのか判断が必要なのだと思います。

 そして読み聞かせに関しては、現段階では読み聞かせをやっていることが重要だと考えられています。どこの学校でもボランティアを募って読み聞かせのグループを立ち上げています。特に学校は現在地域の人が関わることが推進されているので、その目的にも合致し様々なタイプの読み聞かせが行われています。子どもたちが楽しめるよう工夫を凝らしたものも多く子どもたちに楽しい時間を提供していることは法律の成果だと感じています。

 ただ楽しい時間で終わってしまっては読書活動の推進にはならないのではないかと感じています。読み聞かせを楽しめば読めるようになる訳ではないことを学校司書は知っています。学校図書館はその次を考えていくことが大事です。「読んでもらって楽しい」で完結させずに「自分で読んで楽しい」までつなげていけたらと考えています。