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新品の本

 今年度、はじめて「本はともだち」を取り入れてもらった学校があります。この事業は30年近く継続していますが、一度も伺ったことのない学校です。「本はともだち」で紹介する本は子どもたちの取り組みを円滑に進めるために学校図書館でも用意してもらっています。基本的に2年生が対象なので、その時期に紹介したい本はある程度限られてきます。同じ組み合わせで同じ本を毎年紹介することはありませんが、それでも何回か伺った学校では新しく購入してもらう本が減っていく傾向があります。「本はともだち」で取り上げる本は基本的に時代が評価を通した本だからです。今回その学校がはじめての取り組みということもあり偶然1回目に紹介した本6冊とも今年購入してもらったものでした。こんな偶然は滅多に起こりませんので、私自身が新品の威力を目の当たりにしました。ましてや全冊新品でしたから、かなりインパクトがありました。図書館の本を新品に買い換えることはポップなどのように、その本を目立たせる効果があることを実感しました。

 子どもたちは表紙を見て選ぶ傾向がありますが、本の状態も選ぶ条件に入っていると感じます。そして図書館の本は置いておくだけで、くたびれていきます。どう管理しても色があせてきますし、破れやほつれなども起こります。予算の問題もあり、買い替えに躊躇することもあるかと思いますが、長く読み継がれていく本こそ定期的に買い替えていくことが必要なのではないかと思いました。ただどれを買い換えるかを決めるには、どの本が読み継がれていく本なのかを見分ける必要があります。また昨今の出版状況ですと、買いたい時に買えるとは限りません。出版状況を見据えながら読み継がれていく本を守っていくのも図書館の役割ではないかと感じています。