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全部でひとつ

 最近立て続けに新しく学校司書の仕事を始められたというお二人の方にお会いしました。偶然どちらの方も畑違いの仕事から図書館の仕事に就かれたという方でした。図書館で働いた経験がないことを不安に思われているようでしたが、お二人とも熱心に仕事に取り組んでおられ、特に子どもたちとの関わり方が自然で好感を持ちました。そして仕事に就いたばかりでご自身のスタンスを感じさせず、何色にも染まっていない感じの状態のためか学校図書館は関わった学校司書がバトンをつなぐことで成り立っている様を鮮明に感じました。

 図書館は公共に限らずどの図書館でも蔵書からその図書館の特色や傾向を読み取ることができます。けれどひとり職場の学校図書館では蔵書の傾向が担当した学校の地域性や子どもたちの特色の現れなのか、前任の司書の考え方の現れなのかの判断がつきにくいと思います。中でも経験が浅い学校司書は戸惑うことが多いのではないかと思います。そして本来なら学校図書館は公共図書館ほど蔵書の違いが出ないものだと思います。学校図書館の場合、子どもたちの傾向に対応する方法が蔵書だけではなく子どもたちへの働きかけの比重も大きいからです。

 そう考えると、やはり学校図書館の選書には上田市の共通基準があった方がいいと思います。そして蔵書の見直しを各学校図書館単独ではなく連携して行うシステムが作れれば、ひとり職場であっても図書館として機能しやすくなると感じています。異動がある以上、学校司書は上田市の学校図書館すべてが自分の職場という感覚が必要かもしれないと思いました。