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一緒に

 学校図書館も図書館である以上、子どもたちの読書歴の公開に対してたとえ担任の求めであろうと慎重であるべきだという意見があります。誰が何を読んでいるのかということは個人情報で、図書館はそれを守る立場にあるということは、図書館の特色としてとても重要なことだと思います。けれどそれを学校図書館でも遵守すべきかはまた別問題だと考えています。特に小学校においては、図書館はひとりで使うものというより、友達と連れ立って使うことが多い場所です。そして一緒に図書館に行くような関係だと一緒に選んでいたり、これにしたらと薦めあったりしている子どもたちを見かけます。何を読んでいるのかを知られたくないという気持ちは年齢が上がっていくにつれて強くなっていく意識ではないかと思います。小学校の学校図書館と中学校の学校図書館では対応が違っていいのだと思います。

 加えて学校図書館では本の感想を共有しあうほうが読書への意欲が増すのではないかと感じています。そのため場合によっては学校司書を介して伝えることも禁止事項ではないと思います。もちろん言って欲しくないという子もいると思いますので、誰でも全員という訳ではありませんが、子ども同士の口コミの呼び水として、学校司書が伝えることがあってもいいと思っています。また司書自身の簡単な感想なども伝えても大丈夫だと考えています。読書感想文や読書記録といった改まったものではなく、普段から読んだ感じを言葉にすることに慣れていくことも読書の範疇だと思っています。