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ついにネット環境がやってきた

 ひとり一台タブレットをという文科省のGIGAスクール構想に基づいて、上田市の小中学校も学校にWi-Fi環境が整備され児童生徒ひとり一台のタブレットの用意がされました。コロナ禍もあり当初の予定より整備の期限が前倒しになったこともあり、性急とも思える整備でしたが終わってみると学習環境の整備が一気に進んだ感じがします。

 学校図書館でいえば、情報センターとしての役割が今まで以上に発揮できることになります。今まで学校では図書館教育とパソコン教育は別物として捉えられていて、図書館で調べることとネットで情報収集することが分断されていました。これからはタブレット持参で図書館を使えるので、図書資料とネット情報を比較検討したり連動することが可能です。図書館のどこに欲しい資料があるかと、どう検索して欲しい資料に行きつくのかはカテゴリー分けの感覚が重要です。司書としての技能が活かせることになります。調べることに関してとはいえ情報という感覚で本も捉えられることに、図書館としては複雑な思いがあるかもしれません。けれど学校図書館は読書センター、情報センター、学習センターという役割を持つと定義されています。読書する力は情報センター、学習センターとして図書館が機能するために不可欠のことです。そこを踏まえて前進が求められていると思います。

 そして今まではネット環境が整っていなかったこともあり、教職員からも情報センターとしての役割は強く求められていませんでした。これからは図書館もインターネットを使いこなすことと無縁ではなくなります。本の資料としての堅実さを知る図書館だからこそネットの有効活用の仕方を伝えられると考えています。媒体が何にせよ、情報収集には比較検討が欠かせません。そしてネットが絡むと選択肢が飛躍的に増えます。ただ読むことに不自由さを抱えていると難しい取り組みであることに変わりはないと感じています。