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仕事の役割

 今、合唱団のコンサート用の実行委員会の組織作りをしています。元々集団より個人で動くことが好きで、仕事も個人で請け負うタイプのものに多く取り組んできました。実行委員会が組織されるような活動に関わった経験がほとんどないのに組織を作る役が回ってきてしまい、個人的な好みを言っている場合ではなくなっています。組織といっても15名程度のささやかなものなのですがそれでも苦戦しています。

 組織を作る側になって気がついたのは、役割分担が想像したより難しいということです。どの仕事もその役だけで動くことばかりではないのです。役割は点ではなく線でつながり面を作っています。コンサートで言えば当日必要な人や物を手配するといった個々の仕事自体は特に難しいことではないと感じています。それをつなげてコンサートを滞りなく進めるには個々の仕事だけではうまく進めることができません。そこでより綿密に必要な仕事を係でカテゴリー分けしようとすると、一つの係だけで担当できることばかりではないのです。どうしてもいくつかの係が連動しないとうまくいかないことが出てきます。慣れない作業のため最初は係としてのカテゴリー分けに問題があるのかと思いましたが、どう組み分けても隙間ができます。そして係と係の隙間になったものに対処しようとカテゴリー分けを細かくすると、今度はそれを統括するのが難しくなります。結局係として割り当てられた仕事の先を実行委員全員がわかっていないと組織としては機能しにくいのだと思い至りました。

 コンサートの運営という具体的な目的のこんな小さな実行委員会ですら、割り当てられたことだけしていたらうまく回らないとしたら、もっと大きな組織だとうまく回らないのは当たり前なのかもしれないと思います。自分の役割の先や役割の関連を感じることと裁量の問題は別だと思います。人が増えれば増えるほど主義主張にバリエーションがつくので目的を共有することすら難しいでしょうし何を今更と思われる人もいると思います。けれど任されたことだけ考えていくのは組織が機能しにくいものになるかもしれないと感じました。