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学びの変化

 小学校では2020年度から新しい学習指導要領の全面実施となりました。けれど昨年はコロナ禍で緊急事態宣言により学校が2ヶ月ほど休校になるという前代未聞の事態となり、変則的なことが増えたので教育内容が変わったことがさほど目立ちませんでした。残念ながらコロナ禍は終息とはいきませんが休校という事態は免れているので、今年度は教育内容の変化に目が向くようになってきました。先日も小学生のお子さんを持つお母さんたちに夏休みの宿題が変わったという話を聞きました。夏休みといえば自由研究だと思っていたらいわゆる自由研究は宿題にならなかったのだそうです。例えば絵画や作文、工作や新聞などの作品が募集されているコンクールから自分で取り組みたいものを選んで何かひとつ応募作品を作る、スーパーマーケット内で行われている仕事について実際に足を運んで観察するという条件だけ設定してやり方から考えさせ調査する課題など、学校や学年によって様々ですがお母さんたちにとって驚くような内容だったようです。 

 そしてこれは学習指導要領に沿った主体的な学びを体現している課題だと感じました。主体的な学びは自ら課題を持ち過程を考え見通しをたて調査、検証し改善点を考えることが要求されていることが課題から見て取れます。この主体的な学びが浸透してくると、読書に関しても自分で選ぶことをより求められるようになる気がします。本は扱えない題材がありません。加えて図書館だけでも読みきれないだけの本があります。また子どもたちは息をするように読めるわけではありません。読書センターとしての学校図書館は読書しながら読む力をつける場所でもあります。学習指導要領の変化の波に惑わされずに学校図書館は読書を楽しみながら読書力をつける場所だということを見失わないようにしたいと考えています。