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withコロナ

 知り合いのお家で赤ちゃんが誕生しました。我が家のニューフェイスですという葉書を頂き、写真とはいえ久しぶりに新生児を見ました。赤ちゃんらしい赤みの強いお顔で眠っている姿は血の繋がりのない者をも幸せな気分にさせてくれます。こんな時私たちの遺伝子には群れで暮らすものとしての本能が刻まれているのだと感じます。新しい命は年長者の保護なしには生き延びる事ができない程、脆弱な形で存在しますが年長者の心を掴むようにできています。そして生まれでた命は迷いなく生き延びるための活動を始めます。ただひたすらに生きていくその姿は、人間の本来の姿だと思います。おとなになるとしがらみや利害関係で身動きが取れなくなったり、自分の存在意義や生きる意味など考えても詮ないことに囚われて立ち竦んでしまう事が増えます。けれど自分の力だけでは生き残れないという厳しい条件の中でも一心に生きている赤ちゃんの姿は自分のすべきことを思い出させてくれる感じがします。コロナ禍が収まるのを指折り数えて待っていたのに、収まるどころか以前より感染拡大している今、赤ちゃんの写真が想像以上に心に染みました。赤ちゃんに倣って考えすぎないで前を向いていきたいと思います。