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つなぐ

 昨日から季節外れの雨が降り続いています。降り止む気配を感じさせない、まるで梅雨のような雨です。本当に梅雨のようにしとしとと降ってくれるなら心穏やかに過ごせますが、雨脚は強く不安をかき立てられる降りかたです。この辺より早く降り出した九州や四国では雨が災害を引き起こし命を守る行動をというニュースが流れていて、自分たちの地域でも災害が起こるのではないかと心配が募ってきます。

 災害から身を守るためには刻々と変わる最新の情報を得ることが必要で、そのためにはスピード勝負なのでネットが力を発揮することを実感します。そして情報を収集することを一般的には調べるといいますが、災害に直結する警報的なものは調べるというより知らされるものだと思います。危険を知らせる半鐘のような役割があるからです。身を守る際に必要なのは考えることというより反射に近い行動なのだと思います。その反射のスイッチを入れるのが警報なのだと思います。

 私たちは現在、昔に比べて今後を予測するための判断材料となる情報が飛躍的に増えている社会で暮らしています。けれどそれらの情報を駆使しても、それはあくまで予測で抜本的な解決策を立てられるわけではありません。こう考えると事が起きてからでは、解決策を考えるわけにはいかないという当たり前のことを意識せずに暮らしているのだと思います。そして実はありがたいことに危機的な状況に追い込まれる事が最小限に抑えられている生活をしているのだと気づきます。

 奇しくも今日は終戦の日です。頻繁に空襲警報がなり取るものもとりあえず防空壕に逃げ込まざるを得なかった日々があったことは、今の私たちの生活の出発点なのだと思います。食べることにも事欠き徴兵され理不尽な事ばかりが起こった時代にそれでも前を向いて生きてきた名もなきたくさんの先人たちから渡されたバトンを私たちもつないでいかなければならないのだと思います。