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何を目指しているのか

 読書の秋にちなんで小学校の読書旬間も秋と思っていましたが最近は様々な行事の関係で学校によって様々な時期に読書旬間が設けられているようです。読書旬間におはなしの会などが特別に組まれる学校もあり、私の活動母体のおはなしざしきわらしの会でも読書旬間中のおはなしの会を頼まれることがあります。こういった出張おはなしの会の準備は小学校での読み聞かせやストーリーテリングのあり方を改めて考える機会になっています。

 おはなしの会の捉え方は様々で、その時間をいかに楽しんでもらうかという点に重点を置く場合とおはなしの会の先を見据えて次につなげる点に重点を置く場合で、かなり内容が変わると感じています。そしてどちらも本と子どもを出会わせるといった同じキャッチフレーズを使うことが可能で、よく見極めないと迷子になりやすいと感じています。これはイベントとして捉えるか日常の一部として捉えるかとも言い換えられます。そして学校の読書旬間などでの企画はイベントも楽しいと思いますし、あえて日常の一部としてやり方も読書らしいと思います。そしてどちらの切り口も必要なのだと考えています。読書は日常のものだからイベントはいらないというのも極端ですし、これだけ子供が活字離れしているのだからイベントでないと図書館にはこないというのも極端です。ハレはケがあってこそのハレですからどちらも必要なものだと考えています。

 ただ問題になるのは実施する側がイベントとイベントでないものの区別がついていない場合です。陥りがちな言い方として良いことだからという捉え方は混乱の元です。何をしているのかどこへいくのかをきちんと自覚して行うことではじめて次に繋がります。イベントもイベントでない日常的なものも一緒くたにして良いこととすると優先順位がつかなくなります。自戒を込めてこの辺の混乱から整理していきたいと考えています。