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絵本室で

 昨日 図書館講座の参加者に親子で読み聞かせを聞いてもらいました。2歳以下の子どもをもつお母さんたちで、子どもがどう聞くのか子どもと一緒に聞いてみたいという希望に応えての読み聞かせでした。平日午前中なので、ちょうど絵本を選びにいらした一般の利用者の方も聞いていらして終わった後に声をかけられました。まず子どもたちがよく聞いてくれていたことに驚かれ、読み方を褒めていただきました。そしてご自身も請われて小学校での読み聞かせのボランティアをしていること、そのための絵本を選びにいらしていることをお話しくださいました。講座中ということもありそのまま別れたのですがなんとなく違和感を持ちました。

 読み聞かせは、3歳以下の赤ちゃん世代とその上の世代では読み方も絵本の選び方も違うものと考えています。詳しくお話しできたわけではないので、断言はできませんがお話を伺った方は同じものと感じていらっしゃるように見受けられました。子どもたちを愛おしいと思っていらっしゃり、子どものためになるならとボランティアを引き受け、時間を作って絵本を探していらっしゃいます。そして子どもたちを喜ばせようと思っていらっしゃるその気持ちやお人柄に魅力を感じました。今学校で読み聞かせのボランティアをされていらっしゃる方たちはお会いした方に限らず皆さん良い方ばかりなのだと思います。けれど子どもたちがどう聞くのか、どう絵本を楽しむのかをご覧になる機会がほとんどないことが、善意がうまく反映されない理由なのだと思いました。考えてみれば一般の方が読み聞かせを見る機会はほとんどないのです。例えば図書館などで見かける読み聞かせは小学生のものとは別物です。また保育園幼稚園などの参観で目にする読み聞かせも小学生の読み聞かせとは別物です。読み聞かせの目的以前に子どもたちがどう聞くのかを知ることも大事なのだと思いました。