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計画を活かす

 図書館は基本的に計画に沿って動いています。計画を立て実施しその結果を精査し修正をかけるという作業が行われています。子ども読書推進で言えば、子どもが本に親しむという完成形に向けて様々な計画が立てられています。そして貸し出し冊数や不読者数などで計画実施前と実施後の比較をしてその計画の効果が確かめられます。そして成果が出なければ違う計画が立てられていきます。けれど子ども読書推進の場合、対象となる子どもたちが同一ではないことを置き去りにしているので厳密には計画の違いを比較できていないと思います。そして成果が出たか出ないかがわかってもその理由は特定しきれないことが多いと思います。子どもの発達と複雑に絡み合って原因が多岐に渡ることが多いからです。子どもが獲得する能力は多種多様でその能力の組み合わせや力の度合いは一人一人違うことが人として育っていく特徴でもあるところに子どもの成長に関連する計画の難しさがあると思います。

 教育や行政サービスの質を保障しようとしたら決められた形を守ることが重要視されます。そのため計画を立て結果に基づいて修正をかけていくというやり方で管理していくことは理に叶っています。けれど注意しなければならないのは、これは学校や行政という組織を管理するための方法だということです。子どもたちに直接関わるものは計画に振り回されずにそのエッセンスを汲み取って目の前の子どもたちに注目することが求められているのではないかと思います。これは計画を無視することではなく、子どもたちに計画の意図を正確に渡す行為だと思うのです。子どもに関連する計画を活かすことができるかどうかは子どもたちに直接関わっているおとなのあり方にかかっていると思います。