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子どもに本を勧める

 昨日本はともだちがあり、担任の先生とお話しする中で、図書館にいっても本が選べずにいる割に勧められた本に乗ってこない場合どうしたらいいのかという話になりました。小学生それも低学年に本を勧める場合、子どもたちは本の見た目で判断しがちです。それは自分で選ぶ時も勧められた本を読むかどうかの判断をする時も同じだと思います。低学年の子どもたちは読書歴が浅いので読んでおもしろかったという体験が少ないのです。そのため選ぶ際に手がかりとなる判断基準を持っていません。子どもたちが表紙の絵を見て本を選んでいることを批判する向きがありますが、表紙の絵ぐらいしか判断基準を持っていないのです。これを中身で判断できるようにサポートするのが低学年では特に重要だと考えています。そしてその一つとして本を勧めることが挙げられます。

 子どもに本を勧めるポイントは、ただおもしろいよではなく具体的に説明することが大事だと考えています。登場人物が誰で何が起こるといった説明が子どもたちの判断の助けになります。その時注意が必要なのはあらすじとして話の結論まで話さないということです。おとなの場合あらすじを聞いても実際読んだ味わいとの違いを知っているので読んでみようと思えますが、子どもの場合読み終わったことと区別がつかず読む意欲を削ぐ場合があるのです。また子どもに渡す際に必要なのは勧める側の自信です。多分おもしろいと思うよ、というような遠慮がちな勧め方は子どもには向きません。特に読み始めの子どもたちにとって読み進めること自体に意志が必要です。読んで確かめてみるには分量を読む必要があり活字を追う事にエネルギーが必要な状態だと遠慮がちなお勧めへの反応は悪いはずです。そして勧められた本を読んでおもしろかったという体験が勧めてくれた人への信頼感になります。この人が勧めるのだからおもしろいだろうと子どもたちが思ってくれるようになったらしめたものです。学校図書館は子どもたちが定期的に通ってくれる場所なのでこの信頼関係を築きやすいと思います。